バズ母

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奇跡をもう一度

私は若い頃から作家になる事を目指し、自分の作品を様々なところに投稿していたが、ぱっとせず才能がないと諦めかけていた。そんな私にある出来事がおきた。
ある夜、その日も行き詰まっていると、机の端に小さいおじさんが座っていて、考え込んでいたと思うと、急にスマホの上に乗り、ぴょんぴょん跳ねながら何か文字を打っていく。ぴょんぴょん、時々、息切れしながらも、どんどん打っていく。その文章を読むと実に面白い。それを夢中で原稿用紙に書き写す。それを三日間。ちょっとした短編小説が出来上がった。
その作品をある出版社に送ると、直ぐに連絡が来て、遂には本になり、本屋に並ぶ事となった。売れ行きも上々で、僕はついに作家デビューする事ができた。
まさに奇跡が起きた。

出版社からは第二作目をお願いされたが、あれは僕の作品じゃない。小さいおじさんの作品だ。以前に書いた、僕自身の作品を出版社にだしてみたが、却下される。
(あーどうしよう、また小さいおじさん、出てこないかなぁ)
奇跡をもう一度。
奇跡なんてそうそう起こるわけがないと諦めかけた時、机の端に小さいおじさんが、、、。
キターーーー!助かったーーー!
そしてまたスマホの上でぴょんぴょんぴょんぴょん。

僕は君の幻覚です。この間の作品はあなたが自分で書いたものです。だから諦めないで、楽しく小説を書いて。君なら絶対に書ける!大丈夫!
  貴方の幻覚の小さいおじさん

そうか、小さいおじさんは僕自身なんだ。あの作品は僕の作品なんだ。よし!書いてみよう!
ありがとう小さいおじさん!

10/3/2023, 4:28:01 AM