“River〃”

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駆遣呵責か罵詈雑言かを問うに至らず私は唯その目前に広がる無数の揺れる天秤の音を聴きそしていづれ静かに目を瞑ったりする ... ゆるやかな風の遊ぶ砂丘 ...

観念の中のその砂丘に私はかなり久々だが訪れている。

砂という幾つもの朽ち果て達が参集し此処に遊んでいるが訪れし者々がつい横たえてはこの世界で最も適した究極の包容力で旅人を癒し魅了する ... が然しそれもそれは ... 一切を捨て身を呈して滅びた末に得た悍ましき痛苦悶絶を経た後の智慧 ... 難き深き慈悲 .. .. ..... 。




生まれるという悪戯か ..

耳、口を王の頭上に並べて聖と記すが ..

徒は聴聞にて図を得、口から我炎を吐く。


私の心臓も早く止まってしまえばいいのに。

目前の無数は迷いであり飢渇であり貪りでもある ... 所謂、衆生とはそうしたものである ...

父は生きている。併し祖父も曽祖父も曽々祖父も皆同様に悩み、そして自ら決め落としたのだ。

私の、実父は大した強さだと念う。

唯一その悲しい遺伝を、まあ逃れられそうなのだ。



...... わたしは ... どうしたらいいのだろう ...



代々、命について考え続け ... きっとそれは、水面の下の揺れる波に透ける時計の針の沈黙を眺める如く ... 何が .. どうして .. 何故 .. 価値、存在、飢渇、欲望 ... 放たれた末に無明 ... 仮に世俗に在る欲楽の欲する一切を手中に収めては尚辿り虚無に着く。

自を念う時を滅する労に烈しく勤しむも肉体から崩れて結局脳が足に降りる。

向かう場所既に無しはなから無し。

天寿を代々背いた罰に留まる事無し。



私は、私が私を殺す日に怯えながら笑う肝を抑え待つのみ。

10/19/2022, 10:15:42 PM