影を追っていた。残像を見ていたのかもしれない。僕の中に残った欠片は煙を纏っていて、はっきりと確認できないのだから。街を歩いていて、急に思い出す香りに思わず視線が取られる。君がここにいる訳も無いのに。心から抜け落ちたピースがもう何処からも見つからなくて、僕はずっと完成できない。こんなことになるつもりはなかったんだ。君はもういない。纏っていた花のような香りを残して。
3/16/2025, 12:46:27 PM