ちきんなんばん

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〝あの日の景色〟


別に特別なことじゃないのになんとなく強めに記憶に残ってる思い出、瞬間みたいなのって、結構あると思う。

自分の場合はなんだろうと思って考えてみてパッと浮かんだのが、いとこ家族と自分たちの家族に加えて、友達と一緒に花火を見に行った日。……の、帰り。

終わった頃には夜も遅くて空も真っ暗。夜ご飯も外食で済ませて(全員でカツ丼屋さんに行ったのも追加で覚えてる)、友達の家まで父か母の運転で車で送ってもらってる途中。

いつの間にか友達は寝てて、私も目をつぶって寝てるフリ(ほんとに眠かったのかも、ここは覚えてない)をして。それに気づいたうちの親がそっと後部座席のモニターを閉じて、DVDも止めて、車内が静かになった瞬間。

2人が自分たち子供に気を使ってくれただけのこの一瞬を、今「なんでもない思い出」として私はパッと頭に浮かべた。なんならこの日のメインの打ち上げ花火を見た時間よりくっきり覚えてるかも。花火自体は写真を見返さないとどんなのだったか思い出せない。

なんでかは分からないけどこういう、移動の時間とかその日の目的じゃない謎の時間って自分の中で……言葉にするのが難しいけど、「あれもいい時間だったな」というか、その名前の無い時間も込で思い出になることが多い気がする。

ほんとになんでか分からないけど。行く前のワクワクとか内容によっちゃ不安とか、そういう「今から○○行くんだな」って実感の湧かなさとかふわふわした気持ち?
帰る時なら終わったなーって余韻とか、あっという間だったなって帰り道の景色を見ながら思う時間とか。

そういう気持ちがなんか、なんてことない時間にも自分の中で意味を持たせてくれてるのかなとか。思ったりした。花火見に行きたいなあ。

7/9/2025, 4:11:28 AM