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ぎゅむぎゅむと積もった雪を濡れた革靴で踏みつけていく。
ぴんと張り詰めた冬の空気が頬をひやりと撫でた。
『お互い受験も終わったしそろそろ恋愛の方の春も準備しよう。まじでほんとお前には幸せになってほしい。最高にいいヤツだからさ』
先程男友達に、にやにやしながらそう言われた。
覚悟はしていた。例えるなら、自分のこの気持ちは、日光が当たれば溶けてしまう雪のようなものなのだと何度も言い聞かせてきた。だって私には、頑張りたいことがあるから。それに、ずっとそうだったから。いいなと思っても、報われたことなんて一度もなかったから。
雪のように溶けてしまえば、あったのかなかったのか分からないものだから。
だからいつもやるように、気持ちにそっと水をかけて溶かしていこうとした。
靴下に冷たい水分が浸透していく。
そこからしばらく動けなかった。

1/8/2024, 3:42:59 AM