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海の向こうから顔を出した太陽光が、波の上に反射して光の道を作り出し、まるで導くように私の足元まで伸びていた。

凛と澄んだ空気を濁すように、はきだした息は白い。

スマホ越しに眺めようか、そのまま眺めようか迷った末に、視界に両方入るように腕を伸ばした。

手があと二本あれば撮りながら拝めるのに。

時間は時間通りに過ぎていく。行列を待つような長さではなく、何かに没頭したときのように短いわけではない。

一分が一分通りに一分経つ。

気持ちがよかった。

耳の先が冷たくなって、感覚がなくなりそうになった頃に、朝陽は姿を現した。

全ての願いを祈り終えるまでに要した時間をかえりみると、少し恥ずかしくなる。

鼻の下が濡れている気がしたが拭うのをやめてもう一度視線を遠くへやった。


あけましておめでとうございます。
今年も皆さまにとって素敵な一年でありますように。

1/2/2026, 1:46:18 AM