ギーコ、ギーコ……
古びたブランコから、錆びた金属が軋む音が聞こえる。ここは、かなり前から誰からも使われない、廃公園になってしまった。すぐ隣に、新人さんがやってきて、みんなは、その新しい方で遊ぶようにになってしまった。今や、この廃れた公園で遊んでいる――いや、慰めてもらっているのは、ただ一人、私だけだ。そんな中、私のお気に入りは、このブランコ。4つ並んでいて、よく友達と、どこまで高く漕げるか競争をしていた。今となっては、ほんの少しの風が相手。私も社会人になって、みんなもそれぞれの道に進んで。
「……はぁ、またみんなと一緒に遊べたらなぁ」
なんだか、哀しくなってくる。今頃みんなは何をしているんだろうか。
ギーーーコ……
一際大きな音を立ててから、ブランコをおりる。すると、枯葉とともに秋風が流れてきて、私の頭を優しく撫でていった。
〜ブランコ〜
2/1/2023, 3:25:22 PM