『青く深く』
※BL (キャラ名出してませんが二次創作です)
抱きしめられ顔が近づく。
離れないとと思うのに、僕の意思とは反対に青い色の瞳に惹き寄せられてしまう。
その青をもっと近くでちゃんと見たくて、彼の頬に右手を添えてじっとその瞳を下から覗き込む。
「やっぱり……海、みたいだ」
「海?」
「うん。僕が初めて見て感動した海と同じ色だ。きみの瞳と同じ色で……」
だからだろうか、君にこんなにも惹かれてしまうのは。
「太陽の光を受けた青い海の水面がキラキラと輝いて本当に綺麗で……いつか君と一緒に見れたらいいな」
「そいつは……」
何か言おうと彼が口を開いた。赤い舌が覗いて僕を誘惑する。
彼の言葉を封じるように、僕はそっと唇を重ねた。
もし、彼の答えが否だったらとら思うと、続く答えを聞く勇気はまだなかった。
唇を離すと、答えを封じられた彼は不満そうに青い瞳で僕を見据える。
青に絡め取られて、深い海の底へと引き込まれてしまう。
6/29/2025, 12:03:52 PM