たーくん。

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わたあめのようなふわふわの雲が浮かぶ青い空。
「見て!あの雲!わたあめみたい!」
「ああ、でかくて美味しそうだな」
俺は寝転びながら、彼女は隣で座りながら、空を見ている。
彼女が雲のことをわたあめと言っているのを聞いてから、俺も雲をわたあめと言うようになってしまった。
すっかり、彼女に影響を受けてしまっている。
いや、それほど俺は……彼女のことが好きなのだ。
今まで空を見てもなんとも思わなかったのに、彼女と一緒に見る空は、いつもと違って見える。
いつまでも、こうしていたいな……。
「どうしたの?ぼぉーっとしちゃって」
彼女は、俺の顔を覗き込みながら言った。
「いや、その……なんでもない」
「なーに?顔赤くしちゃって、このこの~」
彼女に、頬を指でつんつんされる。
これからも、こうして二人で色んな景色を見たい。
「君と二人でさ、これからも色んな景色を見たいなって」
……しまった。思っていたことが、そのまま口から出てしまった。
「うん、私もそう思ってるよ。そう言ってくれて、嬉しい……」
どうやら、結果オーライだったようだ。
俺は両手で彼女の顔を包み、そのまま引き寄せて、キスをした。

3/21/2025, 11:33:15 AM