「星が溢れる」
あれは私がこの世界を作った時のこと。
「あなた」がこの世界に生まれる前、私は「あなた」の心を満たせるように、いろんなものを作りました。
はじめは、大地と海。その次に草花と生き物。
小さな街も、メトロポリスも、「あなた」が楽しんでくれそうなものは、なんでも作りました。
でも、何か足りない。これでは「あなた」が満たされない。
ここで私は気づいたのです。
空を見上げた時、何もないことに。
そして私は決めました。太陽と月を作ることを。
私とあなたが出会ったあの時のようなあの夜がまた見たくて。
「あなた」の笑顔が見たくて。
満ちる。星が満ちる。
それから、もっとたくさんの星で世界を飾りました。
これできっと、「あなた」もたくさんの星々から誕生を祝福されるはず。
溢れる。星が溢れる。
「あなた」がこの世界に生まれてからも、私は毎晩、星を作り続けました。彗星も、銀河でさえも作りました。
「あなた」が望めば、なんだって。
世界を星で溢れさせながら、私は「あなた」で溢れる。
このまま、ずっと永遠に。
3/16/2024, 12:24:09 PM