忘れたくても忘れられない
僕には好きな人がいる。
相手は叶うわけが無い。
だって男同士なんて、「気持ち悪い」って思う人が大半だと思う。
僕だって思う。こんな自分が惨めだって。
だけど、そんな僕でも彼は優しく接してくるから、僕はその彼の優しさに溺れてしまう。
僕は彼に気持ちを打ち明けることは無いだろう。
この気持ちは僕の中で押さえ込んで、《普通》に、過ごしていけたらなって。
けど、そんな押さえ込んでいた気持ちにヒビが入るなんて僕は思いもしなかった。
-彼に恋人ができた―
噂で聞いてしまった。僕はその場に崩れそうになる足に鞭を打ち、友達にどんな恋人がいるの?って茶化す感じに聞いた。
友達は「そんなに気になるのかよォwww」
彼の恋人はやっぱり、可愛らしい女の子で彼に釣り合う子だった。
僕は家に帰り自室で涙を零した。
こんな事になるんだったら、振られる覚悟で告白すればよかったと...。
今更後悔しても無駄だって事は分かってる。
彼の事を忘れようと思っても、"忘れたくても忘れられない"というもどかしさが、消えない。
《最初から恋なんてしなければ...。》
そんな事を考える自分が今すぐに、消してしまいたい。
僕はお気に入りの街が一望出来る丘に行き、彼のために書いた手紙や絵をちぎった。
僕にちぎられたそれらは、夜風に乗り高く遠くに行ってしまった。
「これでいいんだ...。」
僕は涙を吹き、独り言を呟いた。
誤字脱字があったらすみません。
※フィクションです。
10/17/2023, 11:15:54 AM