花咲

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『恋か、愛か、それとも』

小さい頃からずっと一緒だった。嬉しいことも悲しいことも、楽しいことも辛ことも、あなたがいたから乗り越えられた。私にとって、あなたは全てで、あなたが居ないと行きの仕方さえわからなくなるの。

初めは恋だと思っていた。それはあなたも同じ気持ちだと。
幼なじみから恋人にかわって、手のつなぎ方も、歩く歩幅も変化した。幸せだった。

ずっと一緒にいられると思ってた。いつしかあなたを愛するようになった。全てが愛おしくて、せつなくてつらい。当然、あなたも同じ気持ちだと思っていた。

あの日までは。

あの日は、太陽が眩しいいい日だった。いつものようにあなたが待っている場所まで向かう。心も足も浮き足立つ。
あなたの後ろ姿。それさえも愛おしい。
後ろから抱きつこうとして気づいた。
あなたは私以外の人に、私が1番欲しい眼差しを向けていた。
今まで私にずっと向けられていたものが、いつしか、私のものじゃなくなっていた。

バラバラと小さい頃からの関係が崩れていく。
バランスが保てない。

あなたが離れていく恐怖。
あなたに嫌われるかもしれない恐怖。

その恐怖に目をつぶって、後ろからあなたを抱きしめる。
一瞬強ばる背中が、切ない。

でもごめんね。

あなたを手放せない。
これは恋なのか、愛なのか、それとも別の何かなのか、、、。


今の私にはわからない。
でも、あなたを解放してあげられない私を許して、、、。

6/4/2025, 12:17:48 PM