SHADOW

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何でもないフリ

《もう“何でもないフリ”しないで...
ちゃんと俺を頼れよ.......》

「何かあったら言いな?」
「うん」
「助けて欲しかったら言って?
何時でも助けるから」
「有難う...」
「ちゃんと相談してよね?
倒れられても困るから」
「はい...。わかリました。」
「虐めでも受けてるの?」
「いイえ、そんナ事ないデスよ?」
「そんな事も出来ないの?」
「すみマセン...」
「これだから×××××は」
「ゴメンナサイ...」
「もういいよ
もう信用もしないし
頼らない
もう助けないから
早く×××?」
「.......」


-夕暮れ時-
1人の少女が屋上に立っていた。
「もう××たいな.......」
そう少女は呟いた。
少女は屋上の柵に手を掛けた。
「もうこの世界には...私を必要としている人も、助けてくれる人も居ない。」
そう誰かに言うように零した。
少女は柵の外側に立ち、最後の言葉を口にした。
「さよなら...世界。次に生まれてくるなら...ちゃんと𝑯𝑨𝑷𝑷𝒀 𝑬𝑵𝑫の世界がいいな...。」
少女はいきよいよく飛び降りた。
















-ガシ!-
???「ふざけるなよ...!
何が〈さよなら、世界〉だ!
俺はお前が居ないと、生きてく意味が無いだろ!」

少女は驚いた。少女の恋人が少女の腕を掴んでいた。恋人は少女を引き上げ、床に腰を下ろした後、少女を力一杯抱きしめた。
少女はその人の温もりに包まれて泣いてしまった。
もう“何でもないフリ”しないで...。
ちゃんと俺を頼れよ.......。
少女は後悔した。
どんなに少女の周りの人が、否定したり虐めたり、助けてくれなくとも、この人が少女の生きる意味を示してくれると言う事を。

12/12/2023, 9:41:19 AM