sunao

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わたしの片想いの相手はとてもクール、というか表情のあまりない人。
…片想い?じゃないかもしれないけどそこはまだはっきりと言葉で確認はしていないから…。

その彼と学校帰り、ベンチに座ってたい焼きを食べていた。
一丁焼きのカリカリのたい焼き。

「ここのたい焼きは皮もおいしいけど、あんこもとってもおいしいよねー。」

話しかけるも、彼は前方を向いてむしゃむしゃ。
表情に出ていないけど、ほんとはよっぽどすきなのだろう。わたしがまだ半分ほどなのに彼は食べ終えてしまっている。

食べ続けようとして、ふと視線を感じて、顔を上げる。
彼がわたしを見ている。
もう口の中のも無くなったみたいでむしゃむしゃもしてない。
じーっと見ている。
じーっとわたしの口元を、まるで獲物を狙う獣のような鋭い眼差しで見ている。

(ま、まさか…)

心臓がものすごい音をたてる。
彼の手が伸びてきたので目をぎゅっと瞑る。

口元のあんこを指で掬い取って食べた。



「そっちかーーーーー!!!」




「鋭い眼差し」

参考 : 10/10「ココロオドル」

10/16/2024, 12:51:30 AM