【ずっとこのまま】※フラアサ
「ねえこれ、いつまで続ける?」
フランシスの一言だった。
「嫌になったか?もう」
所謂セフレというものに成り下がっていたフランシスとアーサーは、だいたい隔週ごとに一夜の夢を結んでいた。
始まりはなんだったか覚えてすらいない。そんなことはどうだってよかったのかもしれない。人間のように年をとれないせいか、終わりの見えない気がする関係だった。
ベッドの上であぐらをかくフランシスは端麗な顔を表情で飾ることもせずいる。
「嫌になったわけじゃない、ただね......なんか」
「はっきりしろヘタレ二号機」
「じゃあさ、おまえは嫌?」
フランシスの視線が、アーサーを捉えた。真面目な話をするときはいつもこうだ。この男は存外相手の目を見て話すのだ。そんなキャラじゃないくせに。そういうところが嫌になる。
「......嫌じゃねえよ。今更なんだよ」
「ずっとこうでいるのかなあって。いつかは終えるのかな。俺、人間以外でセフレつくったの初めてなのよ」
「俺だってそうだわ」
「人間はあっという間に死んでいくじゃない。死ななくても俺らは人間の近くに長くいられないし」
アーサーはフランシスに焦がれていた。フランシスが忘れているこの関係の始まりだって、房事中に与えてくれた言葉だって覚えていた。終わりが見えないことが嬉しかった。相手があと何度自分を貪り、見てくれるのか計れないことに感謝した。人間というのは不便だと、フランシスのかつてのセフレを嗤った。
【未完】
1/12/2024, 11:48:55 AM