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あいまいな空模様のなかをどんよりとした気持ちで歩く。ああでもないこうでもないと一日の無意味な反省会を頭の中で繰り返しながら駅の改札をくぐる。どうしてあんなに楽しそうなんだろうと家族連れが笑い声をあげるホームの片隅で誰も待たない部屋に戻ってからの静けさを想像してため息とともに彼ら家族を視界から外してホームの間の線路をぼんやりと眺めていたらどうやら雨が振り始めているらしい、雨音に耳を澄ませながら電車の音が遠くから近づいているのを待っている。

6/14/2024, 2:57:03 PM