子供のままでいたいと思う時がある。
自分の感情を自由に爆発させ、自分の欲求に素直で、周りの顔色など伺うことをせず、好きな時に好きなことをする。
そのまっすぐで無邪気な姿に、大人になってから憧れ、学ばされるとは思ってもみなかったのだ。
嫌いなものを「嫌い」と言え、やりたくないことを「嫌だ」と言い、「これがしたい」とすぐに始められ、「やっぱりやめた」と何の未練もなく手放せる。どれだけぼろぼろになっても昼夜問わず大事に握りしめ、目に飛び込んでくるもの全てに興味を向けられる。
子供のまま、自分に正直に生きられたらどれだけ幸せなのだろう。未来を憂うことなく、ひたむきに信じられ、自分は物語の主人公やヒーロー、あるいはヒロインと思える無敵の強さを、一体いつから忘れてしまったのだろう。
どの日、どのタイミングで置いてけぼりにしてしまったのだろう。
なんと勿体ない忘れ物をしたものだ。もしかしたら、生きる上で最も必要なものかもしれないのに。
もし過去に戻って拾いに行けるならば、今度こそ心のカバンに、大事にしまっておこう。
二度と、なくさないように。
5/12/2023, 11:43:58 AM