先程地球に向かって落ちてきた、巨大な惑星。私た
ち側からすると隕石、かな。それにより、この星の
ほとんどがえぐり取られ、生命体は死に、自然は崩
れた。家は何も無かったかのように消し飛んだし、
両親も死んだ。でも、私は生き残った。最初は絶望
もしたし、ひとりぼっちに泣きそうになったけど、
どこか楽観的で、何とかなるだろうって。これから
怒られることも無いんだ、勉強もしなくていいんだ
って、思ってた。私以外に生き残った人を探すため
に、知ってる場所をとりあえず訪れてみることにし
た。 学校、ほぼ全壊。 ショッピングモール、半壊、
友人宅、消し飛んだらしく、なかった。建物はほ
とんど壊れていてそして、悲しいくらい静かで、人
は、いなかった。もう、心も体もくたくたで、何も
分かりたくなかった。そして、最後に県を一つ跨い
だ遊園地に着いた。こんなに歩いてたんだ、って少
し自分に関心した。遊園地もほとんど壊れててもう
使い物にならなそう。本当に誰もいなかったな、な
んて思ってたら、声がした。瓦礫の下から、微かに
「助けてください」って。あぁひとりぼっちじゃな
かった。私以外の生き残り。なんて、心底安心して
しまった。
【二人ぼっち】
3/21/2023, 12:00:40 PM