【世界線管理局 収蔵品
『睡眠負債ゼッタイ許さないマクラ』】
夢と現実が混ぜこぜになった結果として滅んだ世界より回収・収蔵された。
元々は枕と毛布と、それからマットレスとの三点セットで登録されていたが、
マットレスと毛布は収蔵後、行方不明。
枕に頭をのせ、眠ることで効果が発揮される。
睡眠負債が消失するまで、使用者にとって幸福な夢を、場面を変えシチュを変え見せ続ける。
睡眠負債の解消が目的であり、幸福な夢は完全に手段でしかないものの、
手段の方を目当てにした貸与申請が殺到したので
現在は貸与厳禁指定が為されているものの、
いつの間にか洗濯されていることが多々ある。
<<いつの間にか洗濯されていることが多々ある>>
――――――
前回投稿分と繋がるおはなし。
都内某所、某アパートで、後輩もとい高葉井という女性がグースピかーすぴ寝ておりまして、
高葉井の枕はいつの間にか、高葉井の物ではなく、
とっても高級そうな別の物に変えられていました。
そうです。
冒頭の睡眠負債絶許枕です。
「幸せそうだねぇ」
高葉井の枕をこっそり変えたのは、
高葉井のメイクのお師匠にして、「世界線管理局」なる厨二ふぁんたじー組織の収蔵部局員。
ドワーフホトというビジネスネームのお嬢様。
ドワーフホトが管理している絶許枕が、相変わらずどこぞの誰かに使われておりまして、
いつもならば洗濯されて戻されるのですが、
今回は洗濯ナシで戻ってきておったのでした。
洗濯機に突っ込む前に、せっかくだから高葉井に、ちょっと良い夢でも見せてあげよう。
ドワーフホトは思いまして、こっそり、本当に、こっそりと、高葉井の枕を変えたのでした。
そしたら2時間3時間グースピ。
さっぱり起きません。
ずっとこのまま、それこそお題どおりに、
眠り続けそうな勢いでした。
「でもそれだけ、たぶん、寝不足なんだねぇ」
世界線管理局収蔵品「睡眠負債ゼッタイ許さないマクラ」で眠る高葉井は、尊い推しの夢の中。
推しと焚き火を囲んで、推しからコーヒーを貰って、推しが焼いたカリカリベーコンなど食べます。
幸福な時間を過ごしていることでしょう。
「でも、そろそろ、枕のお洗濯しなきゃ〜」
ごめんね、ごめんねー。
高葉井のお師匠は高葉井の、枕をスッスと取り替えて、普通の枕に戻しまして、
こっそり、職場の管理局に帰ってゆきます。
高葉井はお師匠のイタズラに気づきません。
ただただ夢の中で、推しと一緒。
ずっとこのまま、ずーっとそのまま、
夢の中に居たいと願って願って、幸福チート夢枕の効果が消え去って起きて、
気がついたら、正午まで寝ておりましたとさ。
前回投稿分と繋がる、ずっとそのまま見ていたかった夢のおはなしでした。 おしまい。
1/13/2026, 6:53:58 AM