寂れた青いとたん屋根の下に1人取り残された麦藁帽子その一面は雑草に覆われている。寂れた自転車のサドルが幾年もの風雨の厳しさを教えてくれた。と、その時、突風によろめき、砂のように根本から折れてしまった。私は、思わず目を覆った黒い8月の雲の下。どこかから、陽の隙間がないかと、天に助けを求めた。そこには、電信柱の数羽のカラスがしゃがれたヒソヒソ声で、何かを話しているだけだった。
8/20/2023, 10:07:53 PM