君とみた虹たまたま君の家族と一緒に来た海で、夕暮れ時に貝を拾った。乳白色で、口を閉じた手のひらサイズの大きな貝。君がその貝を何気なく開いた瞬間。小さい虹がゆらめいていた。幻だろうかと2人で凝視しても消えず、神秘的なそれは数秒で淡雪のように消えた。奇跡のようなそれは、本当にあったことだったのだろうか。2人同時に見た夢なのではないか。いま大人になった僕たちはそんなことを語りながら、確かめる為にふたたび夕暮れの海岸を歩いている。
2/22/2025, 3:07:33 PM