海月は泣いた。

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二人ぼっち


世界に取り残されて、貴方と正真正銘の二人ぼっちになってしまいたい。火星に行く人々を見送って、滅亡寸前の地球で貴方とキスを交わしたい。何にも無くなって平たくなった地球でいっちばん背の高い桜の木を探したり、真っ暗な球体にLEDを縫い付けてとびっきりのイルミネーションを見せたりもしようか。
そして、最後の日には二人だけで水平線を独占する。僕らは幸せいっぱいの瞳を煌めかせながら笑うだろう。間違いなく銀河一の幸せ者だって今までで一番綺麗な景色に向かって叫ぶんだ。太陽が迫ってきたって僕らは手を繋いでいよう。僕らだけはずっと、指先を絡めて離さないでいよう。僕らは地球最後の人類で最高の恋人だったって教科書に載るかもしれないから、生き様は美しくなくちゃダメだよ。二つの名前は隣に並ぶんだからね。僕らの愛を、素敵だねっていつかの誰かが囁いてくれるだろう。あのね、僕は生まれ変わってもまた貴方に出会うんだって確信しているよ。だってピッタリくっつけ合った心臓の鼓動がこんなにも心地が良いから。僕は生まれ変わっても、また星が一つ終わる頃がいいなあ。貴方と寿命いっぱいを楽しむのもいいんだろうけど、貴方を残してはいけないし貴方を見送るのも嫌だから。貴方の笑顔を焼き付けて手を繋ぎながら終われるならこれ以上の幸せは無いんだ。

ああ、もうすぐかな。太陽の光が眩しいね。最後になるけど言いたいことはある?どうしたのその顔。不貞腐れてる?…ああ、そうだった。最後じゃなかったね、来世で会うんだから。

じゃあ、また。愛しているよ。

3/21/2024, 11:39:05 AM