秋雨ノ源

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【この道の先に】

ビルとビルの間を抜ける
友達と手を繋ぎ
異世界への扉を抜けるように
笑いながら

さぁ行こう、と
言葉をかけ
知らぬ道とトコトコと
駆け抜ける

ただただビル2つを
抜けた先に出ただけ
しかし、そこは知らぬ世界
あの店はさっきまで無かったと

まるで別世界に
来たかのように
はしゃぎたてる

しかし帰る時間だ
先程抜けたビルの間が怖い
帰ればお別れ
家族が待つ家へ

繋ぐ手が冷たく硬い
この手を離さんばかりに
日が沈み、隙間を闇が染める
早く帰らなれば

「また明日も冒険しよう
この道の...またその先の
道へ」握る手が強まり少し痛いくらい
でも私は嬉しかった

「うん!」

隙間を抜ける
そこには先程まで
手を繋いでいた彼はいない
しかし手の温もりはある

ビルの隙間を見れば
闇と奥の灯りが見えるだけ
友達と思って居た彼は
何者なのか

不思議と恐怖は無い
また明日も来よう
この道の先に
冒険を求めて

7/3/2024, 10:12:07 AM