その視線が好きなんです。きっと貴方は気づいていないでしょうけど。私を見て三日月形に眼を細めて星の様に私に微笑みかける。そんな顔も好きなんです。風になびく長い黒髪も。私は肩までしかないから、そんな貴方も好きなんです。
好きになってしまったからもう貴方の全てが好きなんです。
でも絶対に認められない想いだから。伝えたら貴方はきっと私から離れていってしまう。だからそっと仕舞い込んで鍵をして、貴方の隣に居るために。
回りには高校生になって浮かれた奴らが次々にくっつき始めてる。でも貴方は違うでしょう?きっと親友を選んでくれるでしょう?だって貴方に渡してって頼まれた恋文なんて1つも渡した事はないし。放課後だって誰よりも早く貴方に話しかけて、隙なんて与えないんだから。
でも貴方の心には触れられなかった。鎖でも付けて何処かに閉じ込めてしまいたい。貴方は背が高くて髪の短い、男の子に恋をした。あの人が好きだと言われたのではない。しかし、いつも一緒に居たから誰よりも多く接したから。分かってしまう。貴方の視線が声色が、口調が、行動が、嫌と言うほどに私に悟らせる。
…………続く
10/15/2024, 1:54:30 PM