目覚めると現実が横たわっていた
隣が冷たいという現実が
熱を感じていた冷たく思う事でも
隣に熱を感じてきた
乾燥に喉をやられ温もりの無い朝
画面の中の君は変わらないのに
明日が…
こんなにも遠くに感じるなんて
……
令和7年7月9日午後2時4分
人事課の滝元君からの着信に気がつく
倉敷に来て2ヶ月が過ぎた頃
相手先の企業の思惑に嵌められて
栄転して来た事を無駄だと感じて
投げ遣りな仕事をしてた…
「西日本エリア統括部長」
肩書きが重く伸し掛かり気持ち悪さが
生活も猫背にしてた…
倉敷での暮らしは以外と寂しくはなかった
綺麗な街並みに心踊る事もあるから
ただ名ばかりの肩書きが休日も猫背にさせる
藤沢で生活してた頃は毎日が酒びたり
今は食生活的にはこんなにも真面目だ
1人でスーパーに入り野菜を選んでる
麦茶も自分でお湯を沸かしてストックしてる
お肉は赤身の多いのを選んでるし
スーパーのポイントカードも作った
ただ朝起きて隣に熱を感じない
君がいない
こっちに来てセカストでアイロンを買ったよ
650円のナショナルという名前の白いアイロン
アイロンがけは以外と楽しくて…
子供の頃に母親が「キーピング無いと…」
そんな言葉を思いだして…
1人で思いどし笑いしてみたり
そんな時も君がいないことに気がつく…
君がいないのに俺は太々しい態度をしない
穏やかに1人で暮らしてる
隣の住人が深夜に喧嘩してて声を張り上げてても
冷静に対応してる
あくる朝に隣の若い人に頭を下げられても
「お互い様ですよ」「お気になさらず」
と諭してみたりしてる…
「あれ…単身赴任なの?」とか言わるても
軽く笑みを浮かべて
「そうそうそうだよ〜」「1人は淋しいよ」
「だからね…」「もう彼女と喧嘩すんなよ!」
今の俺は…
そうやって笑い返すだよ…
隣に君がいないのに…
君がいないのにね…
おかしいね…
ほんとにおかしいね…
こんなに優しい男になった…
君がいないのに…
時間は止まることはない
この瞬間も流れてく
どんなに世の中が進歩しても
この瞬間に間違いなく歳を重ねてる
立ち止まる事が大事な事もある
でももう行かないといけないね
自分で止めた時間を動かさないといけないね
もう君が居なくなったのは遥か遠い事に…
自分から動かさないといけないね
ありがとう昨日
ありがとう君へ
ありがとう明日
宜しく未来
行こうか俺
11/5/2025, 9:37:07 PM