君からの LINE は、泣き言ばかり。
やれ、友達に約束をすっぽかされただの、やれ、母親から仕送りを増やしてくれと脅されただの、やれ、腕にペイントのあるオッサンに肩が触れただけで慰謝料請求されただの。
読んでるこっちの気が滅入るような出来事のオンパレード。
なんでわざわざ、逐一報告してくれるのか。
君の人生は君が立て直すしかないんだよ。
SNS の普及により、戯言を伝えやすくなった。
だからどーした?それ今いる?なメッセージが、虚空を飛び交っている。
それはより普段の会話に近く、気さくでテキトーなやり取りだ。
だからこそ、君の泣き言がすべて僕のもとに届く。
ズラズラと並べられた弱音がスマホの画面を埋めて、この呪われた端末を放り投げたくなる。
ちゃんと会って話せたらな。
無機質な文字でなく、温度を感じる言葉で伝えてくれたら、泣き言を言いながらも頑張っている君の姿が見えてくる。
君の人生は君が立て直すしかないから、面と向かって余計なことは言わないけど、後で君が帰ったら、LINE で僕からのアドバイスを送っておくよ。
直接言うのは何だか気恥ずかしいし、心に残る名言は文字として記録しときたいだろ、なんてね。
こーゆー時の LINE の使い道はさ、弱音や泣き言を送るんじゃなくて、ただ「会いたい」や「会おうよ」でいいんじゃないかな。
そりゃこっちの都合もあるけど、救いたいと思える友達からのメッセージなら、その一言ですべて伝わるよ。
君が本当に頑張っていることが。
だけど挫けそうになっていることが。
僕の助けを必要としてくれていることが。
君からの LINE。
「昨夜はありがとう」
そんな他愛ない言葉はわざわざ送らなくてもいいって。
…でも、大切に受け取っておくよ。
僕が君の力になれたことの証だから。
ちゃんとスクショして、鍵付けて保存して。
たまにそっと取り出して、君と僕がこの「線」でつながっていることを感じて、安心するんだ。
9/15/2024, 12:27:24 PM