安堂

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やわらかな香りを纏い
ぬくもりを振りまくその隣で
私はあなたと淡い空間にさまよう。

昼間の陽射しの帯を絡め
絹をひらひらと風にすかす。

きゅうきゅうと肩を合わせ
震えて笑うこの嫋やかな一時を
私は忘れはしない。

/ 狭い部屋
 例えるならばそれは豆電球のような。闇夜をぽやりと曖昧に照らし出す。ほんのすこしのわたあめが、私を甘く蕩かすのだ。あなたは知らない、私はわずかな水で溶けてしまうことを。たまにでいいから、とびきり甘い砂糖を溶かしてくれたら、それでいい。

6/4/2024, 1:19:42 PM