♡愛新覚命♡

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私が小さい時の話
大好きな人がいたの
「クローバーさん」って言うんだけどね
スクールバックにクローバーのキーホルダーが咲いてた
高校生くらいの女の子
私が悲しくて泣いていたところに
このクローバーをくれたの
「悲しいとき、辛いときお守りにしてね。私とお揃いだね。」って
陽だまりみたいに微笑んだ
でも名前は聞けなかったから「クローバーさん」って勝手に呼んでるの
見て、このクローバーここが少し編み目が緩いの
きっとクローバーさんの手作りなんだわ
きっと編み物が上手なんだわ
それくらいの事しか知らないけどね
私の憧れになった
お守りだった
大好きな人
ずっと密かに彼女のことを探していた
夢にまで出てた
それがね、見つけたの
クローバーさんはもうあの時のお姉さんじゃなくて
大人の女の人になってた
当たり前なんだけどね
セーラー服じゃなくてスーツを着てた
肩にかけてた革のバックにはもうクローバーは咲いてなかった
でもね、私あんまり寂しくなかった
なんでかってね
挨拶を返してくれた時のあの声が
クローバーさんの笑顔が
あの時と変わらず陽だまりみたいに暖かかったから
『クローバーさん/陽だまり』

12/13/2025, 12:41:47 PM