【お題『星空の下で』】
今日は叔父様とキャンプに来てます。
天気は快晴で、星空が綺麗に見えるスポットを取ることが出来ました。
星空の下、焚き火を囲んで。私はココアを、叔父様は珈琲を飲んですごしていました。
叔父様は元軍人故の筋肉質で、服の上からもわかるくらいに大胸筋の辺りがしっかりしています。
性格はのらりくらりと昼行灯な叔父様で、いつものんびりだらだらと過ごされる方。
その叔父様の事が、私は好きで。
「星が綺麗ですね」。と、意味を込めて言ってみました。いつか見た小説の1文を思い出しながら。
緊張で声が裏返ったかな、震えてしまったかな、とドキドキしながら叔父様の反応を待ちます。
「うん、綺麗だねぇ」と叔父様は珈琲を1口呑んだ後へらりと返しました。
やっぱり、意味とかは伝わらないかな…としょんぼりしたその瞬間でした。
「…君と夜明けの明星を見たいくらいだ。」
え、と振り向いたその瞬間、叔父様の顔は至近距離にあって、信じていいのですか、と聞くと、叔父様は猫のようなお口を優しく微笑ませてこう言いました。
「信じていいさ。オジサンは最初からそのつもりだったんだから。」
そして、チュッ、という音と共に、
叔父様の珈琲の味が口いっぱいに広がりました。
4/5/2023, 10:25:43 AM