16.蝶よ花よ だいやち
前回のあらすじ!
かくかくしかじかのまるまるうまうまでしばらくの間私の住んでいる部屋で主将と2人、ひとつ屋根の下で生活することになってしまったのだ!
ただし前回なんてものは無い!
(そんなこんなで主将と一緒に生活ことになっちゃったけど上手くやっていけるかな……主に私が)
谷地はお風呂に入りながら頭を抱えていた。別に主将が悪い人というわけではなく、他人と2人で生活することが不安なのだ。
谷地がどんなに気を落とそうが世界はいつも通り動き続けてゆく。谷地がお風呂からあがれば1人うなだれている訳にもいかず、朝が来れば学校にも行かないといけないのだ。
人生ほんとに諸行無常と言うかなんというか……。
そんなことをうだうだ考えていると段々のぼせてきた。もうそろそろお風呂からあがらないと主将にも心配させてしまうだろう。
ええい、ままよ!これ以上考えていても何もなさそうだし、申し訳ないけどあとは主将に丸投げしてしまおう。
そう心に決めたまま谷地はリビングのドアに手をかけた。が、やはりリビングに入るのは躊躇われてしまい、そのまま動くことができなくなってしまった。
数秒、はたまた数分後。体感的には数時間が経った頃谷地からは力を加えていないのにドアが開いた。
「うおっ!」
「ひょえっ!?」
突然上から降ってきた声に驚いて谷地は変な声をあげてしまった。
「谷地さんか。どうかしたか?」
「い、いえ!大丈夫であります!」
慌てて上を向くと少し困ったように微笑んでいる主将と目が合った。
「ほら、取り敢えず入りなよ」
「は、はひ」
あまり客人である主将を困らせる訳にも行かないので一旦リビングに入った。そして動揺を悟られないようにリビングにくっついているキッチンに行き水を飲む。頭を冷やすのはコップ一杯の水には荷が重かったようだ。
主将の分の麦茶をコップに注ぎ、主将の座っているソファの前にある机に置いた。
「麦茶わざわざありがとう。あー、あとすまんな。こんなことになって」
「いいいいえいえいえ。そんな、主将が謝ることじゃないですから」
主将とは反対側のソファに腰かけ下を向いていた私が返答しながら顔を上げると短パンにシャツ1枚とかなりラフな格好をした主将が居た。
その格好は男の人に慣れていない私にとっては目に毒というか……。
「にしても谷地さんの服可愛いな。とても似合ってるよ。あと掃除とかものの整理とか谷地さんがやってるんだろ?部屋、すごい綺麗だよな。なんというか大事に育てられたんだろうなぁ」
どこを見ればいいのか分からず視線が迷子になっている谷地に気付いていない主将は次々と爆弾を落としてくる。
その発言は男の人に慣れていない私には(ry
次回予告!
そんなこんなで始まった主将との同居生活!本当に最序盤から限界ギリギリ!これからの生活、どうなっちゃうの〜?
オチなんかないよ。続きもないよ。
8/9/2024, 9:39:05 AM