冬巴

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「ねぇ、風弥くん、だったよね。俺らってどんな関係だったの?」

「…っ、!」
聞いていた。分かっていた、つもりだった。
晴也が記憶喪失になったと、頭では分かっているんだ。でも、それでも、もしかしたら俺のことは覚えているんじゃないかって思っていた。

「俺らは…幼稚園からずっと仲良しな親友だよ」
「…そっ、かぁ、じゃあ改めてよろしく!」
「応、じゃあ俺そろそろ帰るわまた明日な」
「うん、また」

「っ、はぁぁぁっ…」
「改めてよろしく!」か、やっぱり、覚えてないんだろうなぁ。と嫌でも実感してしまう。
人の記憶は永遠じゃない。でも、やっぱり
「やっぱり…今じゃねぇだろ…っ」

11/1/2022, 2:19:59 PM