あなたはなぜ書く
本当らしく
もっともらしく
なぜそこにいる
ほかの何処でもないそこに
なぜいる
なぜ
(破裂)
蠕動している大地の撓みに
片脚をもぎとられた話者を
引き摺って歩く街は泥の河
頭の燃えた蛍を呼びつけ
水溶性の悪を孕ませる
矮小な理念の遺構に
死の光の穂が地平まで揃って波をうって
ひかりになれぬものに
ひかるものをみいだす心はつくられた
あさましく、こどもの純な渾沌がまろびいで
おれは救われぬ
破裂した ばらばらの意味となって
生きがたいとさけんだ
鏡の口角を撃ち抜いた
馬鹿なことには耐えられぬ
救われぬ
破裂
破裂続きの
幸福な物質に
あさましい温もり宿り
死は
閉め切られた
剣の礎石になるを得ず
豚を食う塵が舞う
おれはどこ
どこに
光を知ればいい
だれか
だれか
救われぬのなら
おれを
おれを
(破裂)
#いつまでも捨てられないもの
8/17/2024, 12:51:08 PM