あの日のぬくもり
不思議ね、名前も顔も今ではほとんど忘れてしまった。時々耳の奥で私を呼ぶ声が聞こえる気がするだけ…
それなのにあの日のあなたの手の温もりだけは忘れられない。大きくてゴツゴツなのに気持ちと同じで繊細。心がそのまま表に出たように冷たい私の手を強く包み込んでくれた
誰も信じられない私だけれど、彼のぬくもりだけは信じられた。真っ直ぐな目で誠実な思いをぶつけて来た
その思いを踏みにじるあの日の私はもう死んだ。もう2度と人を愛する事は無い。ときめくこともない。
骨が折れるほどきつく抱きしめられることは2度と無い。
それは確かだけれど、今もあの日のぬくもりが遠い記憶の中さまよい、連れ戻そうとする。
あなたの愛は今も生きている。
2/28/2025, 2:17:54 PM