何度辞めようと思ったことか。実際口にしたこともある。とんがっていただけの、俺はただの若造だった。
けれど鼻で笑って強がって見せる度に、その度にちくりと胸の奥が痛んではいた。その痛みだけは、今も強く覚えている。
君もあの頃、加減を知らない若造で。お互いただ生き延びるのに必死な若造で。
そんな君があの日俺に必死にすがって叫んだ俺の名は、確かに俺の胸に痛みと共に深く刻まれた。
それは今は穏やかな時を過ごす俺たちの、俺の大事な記憶。心に刻まれた灯火。
▼心の灯火
9/2/2023, 11:21:27 AM