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蝶よ花よ…(゜゜)…愛されるイメージ
今日は昨日と違って睡眠もバッチリだし、寝落ちせず書ききるぞ!
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辞書によるところ
蝶よ花よ=子供をこの上なく大切に育てる様。
     多く女児に使う。

蝶よ花よ=箱入り娘の等式で結んでも差し支えはなさそうだ。

さて、自分はどうだったろうかと考える。

親や親族にそれなりに大切にされてきたという実感はある。
自分の事を「箱入り娘」と言うのは、何だか照れてしまうが。…まあ、良いか?

「箱入り娘」は、親や親族、出会う人にそれなりに大切にされてきたが、それ以外からも大切にされてきたことを誇りに思っている。

それは、言葉だ。

「箱入り娘」が困っている時、悩んでいる時、いつも言葉が「箱入り娘」を助けてくれた。

その種類は豊富だった。
励ましの言葉から、戒めの言葉、慰めの言葉、未来を示唆する言葉まで。
本やテレビ、ラジオ、人との会話。
言葉という言葉を介して「箱入り娘」の元に届いた。

言葉が届くたびに「箱入り娘」は、「生きなさい」と背中を押されているのを感じた。
力強く、時に優しいその気配に
「箱入り娘」は、言葉に生かされているのだと信じるようになっていった。

「箱入り娘」は年頃になると、自身に降り積もった言葉を使ってこの世界について考えるようになった。
何故?何故?何故?と言葉を投げかける度に、それまで受け取っていた言葉達が光り出す。

「これが答えかもしれない。いや、こっちも答えかもしれない」
パズルのピースを当てはめるように、言葉を当てはめ、言葉と戯れていた。そうするうちに、見えているものの奥に、隠れているものが見えるようになっていた。
それに気付くと、世界により色が満ちていくのを感じた。

蝶よ花よと大切にされた「箱入り娘」だったが、
テンプレートという、便利で、誰とも摩擦の起こらない画期的な道具を使ううちに、語彙を失うことになる。
それと同時に、かつて見えていた景色までも、表面しか見えなくなっていた。

それに気付いた「箱入り娘」は、ここで言葉と向き合うようになるのだった。



少しずつではあるが、取り戻した言葉で紡ごう。

雨に凍える人に、優しい言葉の傘をさそう。
己の道を行く人に、そっとエールを風にのせよう。
孤独に震える人に、静かに寄り添い一人ではないと伝えよう。

言葉は人を救う。

「箱入り娘」はそれを信じて、今日も言葉と向き合っている。

8/8/2024, 2:49:31 PM