わをん

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『窓越しに見えるのは』

スマートフォンから顔を上げて窓の外を見るとさっきまで晴れていた空には灰色の雲が立ち込めており、降り出した雨と干しっぱなしの洗濯物が視界に映った。慌ててサンダルをつっかけ、ハンガーをまとめて抱えて家の中へと戻る頃にはごうごうと音が鳴るほどの豪雨が窓を叩いていた。やっちまった感に駆られていたけれどちょっぴり湿り気を帯びる程度で済んだのはまだ良かったほうだと内心胸を撫で下ろす。
天気予報アプリの雨雲レーダーが赤みがかっているのを見ながら雲を覗き込むのと、稲光が走ったのはほとんど同時だった。遅れることわずか数秒の轟音は地響きすら巻き起こす。洗濯物の次は家じゅうのコンセントからプラグを抜きに走ることとなった。

7/2/2024, 3:36:08 AM