私の今の役目は、戦争を起こさせないこと。または、仲裁すること。
要は外交。国家間の外交とは異なる、個人間の外交。
『調停者』とでも言うのだろうか。
それが、我が家の代々の務めだった。
何時の頃からか、始めていた『調停者』。
記録も曖昧なほど昔に、先祖が流れで始めた務め。
その務めを代々受け継ぎ、我らは努めてきた。
もしかしたら、今の世にはもう必要の無い務めなのかも知れない。
しかし、私は『調停者』という務めを辞めない。
何故なら、私は知っている。我が家の人間なら、必ず教わる。
『正解とは、百年後の世の人間が決めること。
今を生きる人間が決めることでは無い。』
だから、私は続ける。この務めを果たす。
今、私に出来る最善を尽くす。
成果など全く挙げられなくとも、この務めを放棄する訳にはいかない。
先祖から受け継いたものを、後世に伝えるために歴史を紡ぎ続ける。
この『調停者』としての務めを、次の世代に繋げる。
それが今の私に出来る、唯一のこと。
だから、私はこの『調停者』という役を務める。
この『調停者』という務めは、私が後世のために出来る、
最善で在ることを願い、祈る。
7/26/2024, 4:05:19 PM