信じて。約束する。
1年後にぜったいに迎えに行くから。
「嘘つき」
1年後、あなたは帰ってきた。背が高くてがっしり体型だったあなたが、今は小さな箱に納まってしまっている。私の胸に抱かれて、なんの言葉も発さない。
肉体は昨日荼毘に付された。色黒な人だったけど、とても綺麗な白い骨をしていた。からん、という音が静謐な場所でやたらと響いた。
ねぇ、今日って何の日か知ってる?あなたと離れ離れになってちょうど1年経つ日だよ。そしてあなたは今日、私のこと迎えに来てくれる予定だったんだよ。でもこんな形で再会なんて、許せるわけないじゃない。これじゃ約束守ったことにならないよ。ひどいよ、ずるいよ。
もっともっと責めたかった。けれど遺品の手帳の今日の日付けのところに大きな丸印がついていたのを見つけたら、私はもう何も言えなかった。言ったところであなたは聞いてくれないんだけどね。
「……馬鹿だね、ほんと」
あなたは世界一の大馬鹿者だよ。こんなことになるなら約束なんかしなきゃ良かった。あの時もっとちゃんと、あなたの話を聞いとけばよかった。
6/25/2024, 9:19:53 AM