真夏の記憶
白いワンピース 風が揺らして
足元の波が 私をさらう
あなたがくれたサングラス越しの
空の青さが 胸を刺すの
触れそうで 触れられない
距離が愛しくて
目を逸らすたび 余計に
心が近づいていた
あの日の真夏の記憶は
熱を帯びたまま消えない
笑い声と潮の香りが
今も私をさらってく
二度と戻れない季節に
あなたを閉じ込めたまま
夕焼けの中であなたが言った
未来の話は聞けなかった
波音がすべてを包んで
涙も隠してくれた
ほんの数秒の沈黙が
永遠みたいで
肩越しに見た横顔が
私の夏を終わらせた
あの日の真夏の記憶は
砂の上でまだ輝く
指先に残る温もりが
夜を切なく染めてく
今も夢の中のあなたは
あの海風のままで
白いワンピースを
そっとクローゼットにしまうたび
心のどこかでまた
夏が始まる
8/12/2025, 10:22:48 AM