ゆーらゆら
私はブランコに揺れながら真夜中の公園で星空を見ていた。
ゆらゆらしていると何もかも忘れてしまえる気がした。
明日は会社に行きたくないなぁ。
そう思いながら星空を視界一杯に入れていると、何だか星空と一体化しているような感覚になる。
ここまま溶けて空と混ぜられて永遠に空に留まれればいいのに。
空から人々を眺めるのは楽しいだろうな。
私は揺れ動くブランコの振動をゆるやかに感じている。
そうしているとだんだんブランコの揺れが落ち着いてくる。
ふぅー。
私はため息をついた。
何でこんなに苦しいんだろう。
毎日会社に行くのが辛くて。
一日一日をやっとこなしている。
ブランコが止まってもしばらく私は動けないでいた。
「明日行けばお休みだから」
「明日行けば祝日だから」
「あと少しで定時だから」
こんな誤魔化しでどこまで頑張れるんだろう。
幼い頃を思い出す。
こんな風に同じように、ブランコに揺られていたけど、
小学校の時は無邪気の塊で明日の心配をすることがなかった。
ただ、私は明日が楽しみで、希望に満ちた明日が確約されているのだと思っていたのに。
それでも明日は無情にやってくる。
私はため息を付いて幼い頃の楽しい記憶がつまったブランコを振り返る。
そして、重い体を引きずって、家への帰り道を辿りだしたのだった。
2/1/2024, 1:26:57 PM