木綿

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生きる。
日めくりカレンダーのように過ぎる時を。
無造作に、ただ。ただ流れる日々を。

夕焼けが急かして、ぼんやりと飴玉みたいに溶けだした緋を見つめる。
揺れる電車、変わる信号。見つめる、その向こう側。
小さな、かすかな。
目をこらさなければ見えない程の、そんな、自分だけの宝物がそっと、そこに。まぶたにひかる。

些細なことに、笑う誰かの「ありがとう」

それを思い出すと、ふいに唇が弧を描いたのがわかった。

ああ、あれは。

僕だけの、一等星だ。

「誇らしさ」

8/16/2023, 10:19:52 AM