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嫌な夢で目が覚めた。

今年の冬は特に寒い。まだ日が昇る前の薄暗い時間は冷たい空気が一気に纏わりついてきて身体に不快感を与えてくる。俺はかけていた布団と毛布をギュッと手繰り寄せ深く潜り込んだ。

どうせまた眠りに落ちれば悪夢にうなされ数時間も経たずに目が覚めるのだ。そうしてほとんど眠れないままいつも朝を迎える。

こんな生活がかれこれ数ヶ月以上続いていた。もう慣れた、なんてとてもじゃないが言えないくらい精神的にも体力的にも消耗しきっていた。


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『また明日ね、悟。』

最後に一緒にいた日、お前はいつも通りで何一つ変わりなくて、あの細い目をきゅっと閉じて、あの笑顔で…

確かにそう言ったのに。そのままお前は消えてしまった。

なんなんだよ?お前が何考えてんのかわかんねぇよ。なんで…なんで…。

「あーー!クソっ!」

頭を掻き毟りながら、頭に渦巻く処理しきれない思考を掻き消すようにそう叫んだ。

ずっと一緒にいると思っていた。
ずっと隣にいると思っていたのに。

「う…うぅ…。」

声を押し殺して今にも溢れそうな涙に抵抗してみるも、そんな小さな抵抗は全く意味をなさず枕に冷たい染みを広げていく。

当たり前に隣にいたから気が付かなかった。離れてから嫌というほど主張してくるその感情は、恋なのだと気付くまでに時間はかからなかった。

こんなに、こんなにお前のこと…好きだったんだな。

「ははっ、俺って女々しいな。きもちわる。」

そうやって今日もお前に翻弄されてるんだ、俺は。
消えてくれよ。いっそ俺の記憶から消えてくれ。

お前なんか…。

そうやって心にもない否定をしてみると、胸がズキズキと痛んだ。

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今日も眠れないほどお前を想う。

12/5/2023, 12:52:18 PM