さよならは言わないで
物凄く大好きだった人がいたが
悪い人だった…
付き合ってもいなかったのだが
色恋営業と言うやつをされていたのだ
特にいかがわしいお店に通っていた訳では無くて
整骨院の先生であった
その先生はダイエットの高額サプリメントを売る担当の先生で
30万以上するらしい。
その整骨院は先生がいっぱいおり
患者さんが少ない時はかなり強引に
恐ろしい顔で
なんで痩せないんですか!!
と、5人位で罵倒しながら囲んで勧誘された。
ただ、その色恋営業の先生だけは囲まない
たくさんの先生に囲まれて怖い思いをした後に
優しくして営業する
甘やかし担当であった
私はそのシステムをわかっておきながら
その先生が大好きで、優しくされたくて通い続けてしまった。
身体中が痛かったのを治したいのが本来、整骨院に通っていた目的だったので
カイロプラクティスのような派手に関節を鳴らす施術を受けていた
ある日、その整骨院が休みの日、身体中が痛すぎて
他の保険のきかない整体院のベテランおじいちゃん先生に、恐る恐る
「実は、いつもは別の整骨院に通っていて、本当に悪いんですけど、痛すぎるので診てもらえませんか?」
と、お願いしたところ
「右足の股関節が亜脱臼している!」
と、言われて、
ポキッ!!
と言う派手な音と、一瞬の痛みで
あ!?
っと言う間に治った…
「二度とその整骨院は行くな!!よく通うようにわざと関節を中途半端に外されていたぞ!悪いやつだ!」
と、おじいちゃんの整体の先生にお説教をされて
愛しの色恋営業先生に、今、治してもらった右足の股関節をグイグイ押されていた事を思い出し
優しい顔しながら、わざと悪くしてたんだ…
私をカモにしようとしてたんだ…
色恋営業先生のハンサムな顔…あの顔がもう見られないんだ、
もう、二度と優しくしてもらえないんだ…
悲しくて嫌いになれなくて複雑な気持ちになり
月を見上げながらシクシク泣きながら帰り、
夜風が自分の涙の跡に当たり冷たく感じた。
それから二度と大好きな色恋営業の先生の整骨院に行かなかったのだが
ある日
駅で大好きだった色恋営業先生にバッタリでくわした。
…!!
愛しの色恋営業先生は絶句し、真っ青な顔になっていたが
私は昔見た映画の
『Wの悲劇』の薬師丸ひろ子さんの演技をマネするように
余裕ぶってニッコリと会釈したところ
かつての愛しの君、色恋営業先生も
安心したように微笑んで
お互いにニッコリ会釈しながら
3メートル位の距離を保ち、お互いに無言で別方向に帰って行った。
さよならは言わないまま。
不思議な事に、その時の2人のトップスが茶色の小花模様のブラウスでまるでペアルックのようだった。
シンクロニシティと言うやつか
今でも嫌いになれない
12/3/2024, 12:46:09 PM