ミミッキュ

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"ジャングルジム"

 夜が明けたばかりの、朝の爽やかな空気を全身に浴びながら散歩をしていると、公園のジャングルジムに目が留まった。子どもの頃よく遊んでいた公園のジャングルジムに似ていて、ふと思い出す。
 子どもの頃は、高い所が怖かった。そのジャングルジムは、この公園のジャングルジムよりも高くて、小学校6年生まで登れて半分くらいで頂上なんて、怖くて登れなかった。
 中学に上がったばかりの頃だろうか、勇気を出して頂上まで登った。勿論怖かったし、登りきるのに時間もかかってしまったけど、あの時見た頂上の景色は、一生忘れないだろうと思った。実際今でもはっきりと覚えている。日が落ちかけた夕方で、地平線に吸い込まれ始めた夕日の光が綺麗で、今まで見ていた景色よりも高くて目の前が開けた様に輝いていて、とても綺麗で。何より勇気を出して、それまで登れなかった頂上に登れた時の達成感と、この景色を見ているのは自分だけだという優越感もあって、より綺麗に輝いて見えた。
 あれ以来怖いと遠ざけていたものも、ちょっとの勇気であの時のような素晴らしい景色が広がると思える様になり、恐怖より好奇心が勝るようになっていった。あの時、怖いと思いながらも勇気を出して登った自分がいたからこそ、今の俺がいる。あの時のような景色をもう一度見る為に、これからも貪欲に進み続ける。
 …まぁ今でも恐怖の方が勝つものもあるけど。勇気を出したって無理なものもあるけど。
 笑いたきゃ笑え…。

9/23/2023, 11:24:51 AM