ミキミヤ

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たとえば、あなたが好きだと言っていた食べ物、漫画、音楽……。そういうものに触れたとき、私はあなたを思い出す。中学を卒業して、私とは別の高校に行ってしまったあなた。私があなたに抱いていたひそかな想いは、今も日常にあなたの欠片を見つける度、胸の中で存在を主張して疼く。
遠くで見てただけだった。もうこれでお別れ、という瞬間にすら、私は踏み出せなかった。
伝えられることなく秘められたままで終わったこの想いは、どこにも行けぬまま。きっと、いつかは消えてなくなる。私は、消えてなくなるその瞬間まで、この想いを見つめていたい。伝えられなかった苦さも含めて、大事に抱えていたいんだ。

2/21/2025, 7:39:46 AM