「ねえ、愛から恋を引いたらなにになると思う?」
背中合わせに座り、俺の背中に寄りかかってスマホを見て遊んでいる恋人にふと聞いてみる。
彼女は少し考えたあと、足に力を入れて俺に体重を思いっきり足してくる。
「いだだだだ」
「んふふふふ〜」
その分、俺の身体が地面に押し付けられ、そんなに柔らかくない身体は悲鳴をあげる。俺の声を面白がって笑う彼女の声がどこかふわふわしていて愛らしい。
「もう、ふざけてるー」
「でもちゃんと考えてますよー」
力を緩めてから彼女は立ち上がって俺の前にしゃがみこむ。正面からしっかり俺を見つめて優しく微笑んだ。
「愛になると思います」
「え、引くんだよ?」
「恋くらい引いても私の愛はいっぱいあふれてますもーん」
そう言ってから俺を抱きしめる。
ああ、一般的じゃなくて。
君の愛引く、俺への恋心ってことか。
俺は、凄い愛を彼女からもらっているんだな。
おわり
五一七、愛-恋=?
10/15/2025, 1:55:17 PM