ジャリと靴越しで鳴る砂に、髪をあおる潮風。
目の奥すらも焼けそうな、大きく深いオレンジ色。
それらが今、こうして自分を包み込んでいる。
「本日は晴天なり」なんて言葉がピッタリ似合うくらいには、正しく雲もなく澄んでいた。
だったら、もしかすると、そんな風に絵に描いたような光景が観られるのかもしれない。
ふと何気なく考えてしまった時点で、これから起こす行動とその多くが切り替わっていたんだろう。
取りあえず目を閉じて深呼吸をしたその瞬間、よくもまあ本当に「こんなところ」までやって来れたなと、自ら冷静さを取り戻した。
何故か無性に見てみたくなって。
だから来た。
突発的な思考ってのも、案外バカにできないな。
【沈む夕日】
4/7/2024, 2:49:43 PM