お題『君の目を見つめると』
私の家の和室には
存在感が凄い爬虫類用の水槽かあるんだ
可愛いレオパ用に買ったんだけど
サイズを間違えたからやたらにデカイ
その、大きな水槽で君は悠々と暮らしてる
そして私が水槽のお掃除をはじめると
今日も君は、ゆっくりとシェルターから出て
じっとこちらを見てくる
その目はやけに真剣で
まるで何か重大なことを
訴えているみたいだ
私と目が合うとさらに視線が強くなる
……わかってる
でも今日は、ご飯の日じゃない
「ごめんね!今日はご飯じゃないんだよ」
そう言って掃除を再開したら
君は“本当に?”みたいな顔で
もう一度だけ私を見つめる
その圧に負けそうになりながらも
ぐっとこらえていると
諦めたように
すっとシェルターへ
——あ、拗ねちゃったかな?
ちょっとだけ罪悪感を抱えつつ
掃除を終わらせて声をかけるけど
君はシェルターに籠ってしまった
そして、ご飯の日
気配を察したのか
君はすでにスタンバイ済み
目が違う
完全に“本気の目”だ
キラキラの瞳が私の動きを追いかける
「はい、お待たせ!ご飯だよ!」
ご飯を見せた瞬間
さっきまでのクールさはどこへやら
全力で食べにくる君
その可愛いギャップに
思わず笑ってしまう
夢中で食べて
満足したかと思いきや
ゆっくり顔を上げて
また、じっと見つめてくる
その目は語っていた
——まだ、食べたい!
いやいやいや
さっき結構食べたよね?
「もう、ご馳走様だよ」
そう言っても
一歩も引かないその視線
……強い
結局、根負けして
もう1口分だけあげてしまう
満足そうに食べたあと
くるっと背を向けて
さっさとシェルターへ帰っていった
……あのさ
さっきまでの熱い視線、どこいったの
君の目を見つめると
私はいつも負けてしまう
でもきっと
君にとって私は
“優しい飼い主”じゃなくて
——“ちょろい給餌係”なんだと思う
まあ、そこも可愛いんだけどね
4/6/2026, 11:49:01 AM