猫又テン

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自由を渇望する人生でした。
ずっとずっと、自由とは程遠い生活だったのです。

自分の足で歩ける者に、憧れていた。
その手で、芝生を撫でることが出来る者が羨ましかった。
好きな時に、好きなだけ日光を浴びれる者が、妬ましかった。

私は、そんな不自由な人間だったのです。

私に許された自由は、ただ一つ。
病室の中から、あなた達のような自由な人間が、赴くままに生きる様を、指を咥えて眺めること。

ただ、それだけでした。


『窓から見える景色』

9/25/2024, 10:56:19 PM