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届かぬ想い:



心が家出してしまえば良い。何度そう思っただろうか。

実際問題、心というのが自分自身とは別物の存在であったなら、今頃こんな容れ物は御免だと飛び出しているに違いない。

しかしこれは自分自身に他ならず、足元から生えた影と同じく切っても切れないものである。いかに傷まみれになり、膿があふれて腐り果て、目も当てられないほど汚れていようが他と換えることさえ叶わない。

容れ物たる私がなければ存在さえできないくせ、事あるごとに私を苦しめるこれが憎たらしくて仕方がない。汝、隣人を愛せよ。自分の中身すら愛せないというのに隣人など愛せるものか。否、隣人とはもしやこの憎き中身を言うのかもしれない。

色も形も知らないのに、ぎしぎしと軋むように痛む。その痛みが、出来の悪い肉の体には有り余るので、やはり早く出ていってくれはしないかと思う。

さもなくば、お前から私を愛してくれよ。

4/15/2026, 9:45:16 PM